宇野大介
(うのだいすけ)
S54生まれ
お茶1ha、お茶小売、寺子屋塾、農作業受託、狩猟
H10年京大農学部入学
H14年アジア・アフリカ地域研究研究科入学
H16年株式会社類設計室入社
H18年株式会社類設計室解雇
同年愛知県知多市で闇小作を開始
H21年静岡県浜松市(旧春野町)でお茶農家スタート
高校時代、純粋無知に育った私は、将来になったらアフリカの貧困問題でも解決してやろうと意気込んでいました。が、大学院時代に実際アフリカへ行き、アフリカの様々な問題は、結局は先進諸国に翻弄されていることに起因すると、そのころになってようやく知りました。アフリカでどうこうする、のではなく、日本をどうこうする必要性を感じたわけです。それと同時に、日本の社会問題を遠くから見ていると、日本ってホントにやばいんではないかと。
働く意味とは、自分たちの暮らしを支える、つまりは単純に食っていく以外に、子どもたちや孫の世代に、何を残すか、を考えなければならないと思っています。今の日本の社会システムでは、一体何を次世代に残すのでしょうか?経済の発展は本当に必要なことなのでしょうか。本当に誇りを持てる生き方を私はしたい。

そして、一次産業に憧れました。

お金や便利さを次世代に残すより、技術や知恵を残したいと。
とことん美味いものを食べる喜びよりも、たまに食べるちょっとした贅沢を楽しみたいと。

農業は文化を守り、地域社会を養う。そして、なにより、食べ物なくしては人はいきていけない。食べものを輸入できる時代は、そう長くは続かないと思っています。

希望としては、田舎に住んで、季節を感じながら旬のものを頂く。子どもは親の働く背中を見て育つ。子どもには子どもの役割を与えて、はい、薪割りやっといてね、と。そんな生き方に憧れます。老後も、定年もなく、ボケもせずいつまでも健康。

そして、こんな生き方こそ、次世代に残したいものを残せる一番の生き方なんだと確信しています。宮沢賢治に倣えば、「何かを凄いことを成し遂げることがカッコイイ人生とは限らない」。

そして、こんな生き方を、ああ、他の誰かも巻き込みたい。
背中を押すだけ押してみたい。

時代を逆行することはできないとはよく言われますが、逆行したい人が生まれていることも事実です。逆行したい人だけでも逆行しちゃったらいい。
そんな小さな流れが、ひょっとしたら大きな流れを生み出したら面白いなぁ、なんてよく思うのです。